9:45 阪急・芦屋川駅北出口に集合しました。20人の参加です。昨年の10月以来の楪
の会の催しです。懐かしい面々に会いうれしくなりました。この回が「楪の会」として最後の催しです。本当にさびしい気持ちでいっぱいです。
2月~4月は山邑家ゆかりの雛人形展が開催されていました。この期間中はオンラインでの予約でした。ヨドコウ迎賓館は六甲山の山腹に建てられたものです。幾何学的な彫刻を施した、大谷石があちこちに用いられています。大谷石は栃木県宇都宮市大谷町で採掘されている軽石凝灰岩で柔らかく細工しやすく高温に強いという特徴を持ち建物の基礎石、石塀、外壁、などに屋根に使われています。またマホガニーの複雑な木組み装飾、飾り銅板などが用いられています。マホガニーは木目にくく日本建築とは異なるものを目指したようです。特に2階応接室、3階の和室、4階食堂などが館の見所です。陽に映える大谷石の柔らであたたかな肌合い、造形の美しさがこの館の上品さを醸し出しています。ライト建築を特徴づけています。各部屋の窓側の上部や部屋間の上部にほどこされた木組み装飾が外光の差し込みが美しいリズムを織りなしています。大谷石の肌合いと木組み装飾で陽の光をうまくあしらっているかに思えます。扉にほどこされた飾り銅板の表面が緑青となり、その深みある緑が建物を引き締めています。またそのシルエットも美しい。
空模様はやや曇り空ですが雨はふりそうになさそうでした。
神戸市中央区の新神戸駅に近い大工道具の専門博物館の見学でした。
JR三宮西口10時に集合し市バスに乗り熊内町で下車して徒歩で目指しました。
木造平屋建ての道具館が新緑いっぱいの木々の間から見えました。
道具館の建物は地下2階を持つ平屋建てで、展示場は地下1、2階です。
1階は特別展に使われているようです。このホールもほとんど木材造りです。天井は杉の「船底天井」です。
常設展示場は地下1階と2階で7つのコーナーに分けて展示されています。
〇道具と手仕事
鋸 鉋 定規 鑢 など多くの道具の展示がありました。
大和殿の組物(木造建築において屋根を支えるための柱頭にに設けたもの)
〇歴史への旅
法隆寺五重塔模型
法隆寺五重は世界最古の木造建築
屋根が積み上げ構造で、真ん中に心柱を吊り下げる構造で免振構造をなしている。
〇棟梁に学ぶ
棟梁は、大工らを束ねる長のことで建物の設計から施工、大工らのまとめまで
取り仕切るひとです。
西岡常一( 1908~1995) 代表的棟梁
法隆寺専属の宮大工‥法隆寺の全伽藍の解体、大修理を行い、
また薬師寺の金堂および西塔の再建も行った
用いる木はその癖を見抜き適した場所に用いると長持ちするといっている。
建築に用い資材の検討、工事費の見積もり
〇名工の輝き
千代鶴是秀(1874~1957)鉋刃の作成を究めた名工
名工の鍛冶場 是秀はどんな作業も手をぬかず、手間のかかる工法に固執しつづけた。
そのために道具が吟味され、工房は整理され、道具を置く場所も吟味されました。
〇和の伝統美
茶室のスケルトン模型 (壁を塗る前の竹などによる骨組み)
組子細工を用いた明障子
〇木を生かす。
いろいろな樹種の樹皮や材の比較
唐招提寺の金堂組物の実物大模型が地下2階から1階へ突き抜けていて、
組み木の積み重ねのすばらしさ美しさに見とれました。
日本の伝統建造物には多々の技術がつぎこまれており、さらにそれらの
保存修理のためにも高度な技術があり、棟梁を中心とする組織のもと、伝統をうけつぎ、
さらに工夫を重ねて発展してきました。
その技術はすぐれた道具にうらづけされ、その道具にはそれをつくる人の美意識や心づかいが
込められています。名工と呼ばれる、その道を究めた人々にささえられています。
私が子供のころは家の新築時に大工さんが鋸で材木を切断し、鉋で木材をけずり、
烏口を用いて線引きをするのを眺めながら、傍で遊んでいたものだと懐かしく思いだします。
その鉋にも用途に応じた多くの種類、工夫、匠の職人技が込められているのです。
そのことをこの見学会でわずかもしれませんが学び、感じることができたかもしれません。
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