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佐保会兵庫県支部 楪の会 

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古典に親しむ  『伊勢物語』―歌物語の世界

平成27年7月23日(木) 13:00~15:00 
講師 柳瀬 あや子氏(S42文国)
於 神戸市勤労会館

 梅雨が明けたと思ったら、大暑、暦通りの真夏日になりましたが、熱心な古典ファンが心躍らせながら、集いました(13名)。
 『伊勢物語』は9世紀後半から10世紀後半に、複数の作者によって増補・改訂が繰り返されてできた、歌物語(和歌と物語が融合)というジャンルの作品です。「昔、男ありけり」などの書き出しで、ある男の元服から終焉までの恋愛、交友、社交、流浪など様々な内容が、数行の仮名文と和歌の章段で連ねて描かれ、125章段から成っています。実在の、美男で奔放な貴公子で歌の達人として知られる在原業平を主人公として読まれるところが多いこともあって、当時の人々や後世の人々の人気を博し、後の『源氏物語』や『好色一代男』にも影響を与えたと言われています。 『伊勢物語』という書名は、伊勢斎宮との禁断の恋を語った章段(69段)が恋物語として重要な位置を占めている(または、この章段が最初にあった)ためと考えられています。
 というような『伊勢物語』の概説をしていただいた後、いくつかの章段を選んで、読みながら解説をしていただきました。
第1段 初冠(うひかうぶり・元服)
 元服した男が、奈良の都春日の里に狩りに出かけた時に垣間見た優美な姉妹に、狩衣の裾を切って
 歌を贈ります。
 「春日野の若紫のすりごろもしのぶの乱れかぎり知られず」
第4段 叶わぬ恋
 相手の女性は清和帝の后となる藤原高子で、入内して姿を消してしまいます。 
 「月やあらぬ春や昔のはるならぬわが身ひとつはもとの身にして」
第69段 狩の使
  伊勢斎宮(神に仕える未婚の皇女)との真夜中の逢瀬の翌日、  
  (斎宮)「君やこし我やゆきけむ思ほえず夢かうつつか寝てかさめてか」
   (男) 「かきくらす心のやみにまどひにき夢うつつとは今宵さだめよ」
第125段 辞世の歌―終焉
   「つひにゆく道とはかねてききしかどきのふけふとは思はざりしを」   

 平安貴族の美学である「みやび」で作り上げられた美しい文章と和歌、恋物語の世界にふれることができ、タイムスリップしたかのようにすっかり引き込まれてしまって、真夏の昼下がりの夢のような甘美なひと時を過ごすことができました。


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by yuzurihanokai2 | 2015-08-01 13:37