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佐保会兵庫県支部 楪の会 

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小磯良平没後30年の特別展

  平成301122日 1300~   小磯記念美術館  23名参加

  ≪画像は展覧会のパンフレットや受付にあった小冊子からのものです≫

季節の変わり目で、日によって寒暖差が大きい時候ですが、この日は温かい一日でした。

 美術館は六甲ライナーのアイランド北口駅すぐのところにあります。美術館前には柔らかな日差しの当たっている並木道に秋を感じました。受付をすませ、学芸員の説明を聴きました。


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洋画家の誕生

 小磯良平は1903年、神戸で生まれた。三田藩の旧家の岸上家の次男だが、小磯家の養子となったこの時かかわったのが小寺謙吉である。三田中学(現在の三田学園)を開校した人物。神戸第二中学校では、詩人の竹中郁と生涯の友を得た。

東京武術学校の西洋画科に入り首席で卒業した。在学中の1926年に「T嬢の像」で帝展で特選を獲得。学校では応募を禁止したが別名で出展したそうな。学校名を出していたら選ばれなかったとか。


自画像 1926

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 T嬢の像 1926
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西洋美術との出会い
 竹中と大原美術館を訪れ西洋画に触れ、感動しあこがれを持った。

1928年フランスへ留学。ルーブル美術館などで西洋画を見るのに明け暮れたという。そして自分は、西洋画を追及し挑戦することとした。


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憧れから挑戦へ
 ヨーロッパで研鑽を積んだ彼は、抜群のデッサン力が光る人物画を多く描く。布の質感表現や光の表現に西洋絵画を十分に想起させ、その技量を発揮している。

 踊り子1940

小磯良平没後30年の特別展_b0211836_08533089.jpg      桃とクルミのある静物1939

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戦時下の大画面群像

1938年、藤田嗣治らとともに従軍画家として中国にいき、帰国後戦争画を制作した。そして群像表現を深めた。


  練習場の踊り子たち 1938


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 娘子関を征く1941

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斉唱 1941

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1944 谷川大尉像
 谷川大尉の戦死後、実家がある大阪市の関係者から肖像画制作を依頼された小磯が、遺影を元に遺族に贈ったとみられる像画は遺影と思い大事にされてきたが、遺族で話し合った結果今年7月に美術館に寄贈された。遺族は、「戦争を繰り返さないためにも多くの人に見てもらいたい」と話す。 (先日テレビで放映されていた。)


戦後の新たな挑戦

 働く人びと 1953

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 麦刈り1954

小磯良平没後30年の特別展_b0211836_08592978.jpg母子像1953

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かぼちゃのある静物  1957

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御影の風景 1986
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 1950年(昭和25)年から母校東京藝術大学で教鞭をとるようになる。後進の指導の中で時代の流れを無視することもできず、幾何学的な線描や原色を多く用いた作品を描いている。



アトリエ

1949年、住吉山手に建てられたもので、この美術館の中庭に移築されるました。中に入りると、彼の制作の様子が想像できるます。窓からの光が入り彼が追及した絵の陰影が得られそうです。 



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by yuzurihanokai2 | 2018-12-07 20:30 | 美術鑑賞