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佐保会兵庫県支部 楪の会 

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講座 失われた田舎暮らしを求めて

2023年4月27日(木)13:30~15:00  於 ウィズ明石 学習室703  出席者19名(含 講師)
講師 ペルー フレデリック 氏

姫路市北部の安富町の古民家(明治建築)に、2012年、東京から家族で移住。2022年にマンガ本を出版。フランス語版は「Retour Sur Terre], 日本語版は「失われた田舎暮らしを求めてーWakame Tamago in 播磨」。関西の田舎暮らしの体験談や自然と共に生きる新しい生活に目が開かれていく様子が楽しく描写されています。

以下はペルー フレデリック氏のお話の概要です。

1.ペンネームのWakame Tamagoの由来
 18年前、東京秋葉原の事務所に勤めていた時、昼食は近くの立ち食いそば店で食べた。トッピングがいろいろ選べたので1年間いろいろと試してみた。その結果、おいしかったのはワカメ、タマゴ、納豆の組み合わせだった。このWakame Tamagoをペンネームにしている。

2.生い立ち
 フランスの太西洋に面した人口300人位の村に生れた(1971年)フランス人。バカンスには田舎の祖父の家によく行った。10月頃にはぶどうの実を摘み取って自家製ワインを作り、樽に入れて保存した。三度の食事には必ずワインを飲む。野菜、鶏、兎、ジビエ、蜂蜜など自給自足に近い生活だった。

3.日本との出会い
 ① 1970年代にテレビで日本映画『七人の侍』が放映されたのを観て感激した。
 ② 10~12歳ごろ、日本のマンガ本を見た。300頁ほどもあある分厚さに驚いた。
 ③ 16歳の時にイギリス留学したら、クラスに日本人がいた。初めて日本人をみて不思議な感じがした。
 ④ 日本に興味を持ち、日本語のテキストを買って独学で勉強した。日本についての本をたくさん読んで知識を深めた

4.どういうきっかけで日本に住もうとしたか
 1993年2月24日午後、大学生の時、ポンピドゥーセンターの図書館で電気通信の勉強をしていたら、偶然、フランス語の勉強に来ていたアキコさんと出会い、稲妻に打たれたようだった。アキコさんはポッティチェリーのヴィーナスのようだった。大学卒業後、IT関係の会社でエンジニアとして働くことになり、渡米。
 アキコさんと結婚して東京に住むことになった。吉祥寺に家を買って秋葉原の事務所に通った。幸せだったが、満員電車の通勤、スペースのない家、65歳までの長期ローンなど終わりのないループの中にいるようで満足とは言えなかった。長男誕生。
 2011年3月11日、東日本大震災が起こり、地震と原発事故発生のあと価値観が揺すぶられた。以前から少し考えていた田舎への移住を考え始めた。
 アメリカ出張の時に上司に会って相談したところ、「ノー プロブレム」と5分でOKが出た。
 移住先を検討した。アメリカへの国際線が飛ぶ国際空港に近く、東京への新幹線も便利なことから関西を選び、、①小学校に近い ②自然一杯の環境 ③広い庭がある ④安価 を条件に検索した。姫路市北部の安富町の谷合の地域(23世帯)に瓦屋根の母屋と物置小屋、庭、畑付の古民家の物件を見つけて見に行った。築100年以上で、20年間空き家になっていたため建物が相当傷んでいて迷ったが、アキコさんが庭で四つ葉のクローバーを見つけ、買うことにした。早速リフォームを頼んで、2012年に播磨へ引っ越した。
 
5.東京生活と播磨生活の違い
 東京:消費するばかりの生活。長期間のローン。
 播磨:生産できる生活。広くて安価(東京の1/20位)で、ローン解消。
    通勤は無くマイペースの生活ができる。自分のルーツに戻ったようで満足度がアップした。
    しかし、田舎暮らしは初めてで、何もかもが初心者マーク。ゼロからの出発だった。

6.いろいろな出会い
 ムカデ:就寝中、アキコさんのパジャマのズボンにムカデが入ってびっくり。ペットボトルの中に誘導した。
 ムジナ:ある日台所にいたら、突然、床がガタガタと揺れた。床下に動物が居る? ムジナだった。
 咲ちゃんとの出会い:ムジナ事件で大工の咲ちゃんを紹介され、床下に網をはって動物の侵入防止工事をしてもらった。咲ちゃんの技術力と仕事ぶりに感心して親しくなり、物置小屋を仕事部屋に改装する工事もお願いした。山奥にある彼の秘密基地(炭焼き窯、大きな風呂、ビール入り冷蔵庫、椎茸、お茶、鳥の巣箱、蜜蜂の巣箱などが完備した別世界のような素晴らしい所)にも招待してもらった。

7.ブログ発信、マンガ本の出版
 2012年、播磨の田舎暮らしのことをブログで発信し始めた(フランス語)。10年で訪問者10万人。フォロアー43万人と多くの人が興味を持ってくれた。ブログでは書けないことを絵にしてマンガで表現しようと思い立ち、5,6年かけてマンガを描いた。マンガなら、現実だけではなくファンタジーも入れられる。動物達も登場させてしゃべらせた。

8.最後に
 日本の播磨の奥に住んでもフランスの田舎と似た暮らしができる。自然の中に住む基本は似ている。
 ルーツに戻って播磨の田舎暮らしを楽しみたい。
 日本語版のマンガ本を出版したことでテレビや新聞でも紹介され、日本(兵庫県)の皆様の前でお話ができてうれしく思う。

日本語が堪能で、ユーモアを交えたお話とスライド画面は楽しくて、いつまでも聴いていたい講座でした。内容も興味深く、質問もたくさん出ました。

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by yuzurihanokai2 | 2023-05-05 11:31