2020年1月30日(木)13:00~15:00
兵庫県立美術館 参加者 27名
13:00~13:30 レクチャルームで、学芸員の講義
『7年ぶりの来日となる「糸杉」をはじめ「麦畑」、「薔薇」等ファン・ゴッホの作品約50点を世界10か国・地域27か所の所蔵先から集めました。彼に影響を与えたハーグ派と印象派を代表する巨匠たちの作品約30点なども交えながら、ゴッホがいかにしてゴッホになったのか、独自の画風を確立するまでの過程を紹介します。』
13:30~ 仲間同士自由に、ゴッホ展を鑑賞
ゴッホ展(1/25~3/29)は、開幕間もないせいか、混んでいました。集合時間13時に全員そろい、事前にお願いしておいた学芸員のレクチャーを受け、その後は自由鑑賞としました。今回初めてみる「薔薇」はきれいでした、「ひまわりの絵がなかったね」という声が多くきかれました。レクチャーのおかげで、展示の流れもよくわかり、ゴッホの絵に対する理解も、興味も深まりました。見ごたえのある展覧会でした。
≪画像は展覧会のパンフレットやポスターからのものです≫
令和元年11月28日 神戸勤労会館 参加者7名
講師 山崎古都子氏(S41 家住 S43家修住~家庭管理学)
愛知教育大・滋賀大学教育学部勤務 45歳に学位論文
1「寿命」とは、あるものが生まれてから死ぬまでの年(時間)数
物には①耐用年数(機能的寿命or仕様的寿命)賞味期限
②耐久年数(性能的寿命、消費期限)がある
住宅の耐用年数
滅失減価償却(課税評価市、市場の決定評価、マンションの建て替え要件、耐震性などによる。
*期待耐用年数として山崎氏の提案*
現存住宅が今後も期待する予測余命+建築年数
2日本の都市住宅の寿命が短い
滅失住宅の平均地区後経過年数は日本41年 米国103年 英国141年
住宅の期待耐用年数は日本(都市41年 地方74年)米国都市99年
米国では住宅(築後平均37.2年)付きの宅地を購入し、建て替えはまれ
日本では既存住宅(中古・相続)の建替率が高い。22.4% 米国1%
【理由1】
○住宅市場が新築住宅中心
住宅取引に対する既存住宅取引率が米国では高く日本都市部では低い。
日本では中古住宅比率が小さいつまり市場が小さい。
戸建購入 日本:新築84%中古14%相続2%
米国:新築12%中古86相続2%
○消費住宅とみなす傾向
中古購入理由 日本 価格妥当51% 仮の宿42%
米国 価格妥当66% 職人の技34% 伝統重視21%
住宅に対する愛着
日本では筑後30年を過ぎると急激に愛着が下がるが米国では逆に上がる。
その愛着の度合いで強いのは
日本都市部では建替65%で強い。中古では27%
米国では中古、新築がそれぞれ50%近い
○日本での建替の動機
家族構成、ライフスタイル 個人主義
先進化~アジアよりヨーロッパ~日本では中流化
要求高く、豊かさ
戦後“日本は悪い”外国にならうようになった
戦後~量より質へ 空家多い
1973年に総住宅数>総世帯数 になった
○日本 耐用年数30年
伝統文化を大切にしなくなった
耐用年数が短い理由
① 戦後の悪い経済状況~量を建てた
立替促す政策、余力 → 新築
② 日本人の潔癖感~人の手垢のついたものを嫌がる。
ものに“ことだま”が宿っている。
・・・私の“ことだま”にするということで建替
【理由2】日本では 建物に注目しない。
中古住宅を仮の宿と選んだ人35%
中古住宅は宅地への先行投資とする。
【理由3】日本での持ち家の経済評価が米国に比べて低い
【理由4】気にいった間取り指向が立て替えを促す
耐震性、低質が多いのも中古住宅の特徴
【理由4】生活力。日頃の関心の弱小化
住宅検査への関心 日本<米国
日本では検査なしでも住める。
竣工検査のみ(義務化されても90%)
米国では中古売買が多い。中古住宅市場への参入時に検査
住宅新聞、女性不動産屋多い~女性はコミュニチティ発達
売り手、買い手の別々の不動産屋
大掃除 畳を上げる 干す 床下の点検~損傷が見つかる。
4脱・住宅短命社会に向けて
住宅の寿命を延ばすように基本・恒常的維持管理
米国の中古市場では管理の質が売却利益を上げる。そのため、管理に関心が向く
日本では管理と売却は無関係
日本では親から子への生活技術伝承するのを不必要とする70%
米国10%
DIYの習慣があるほど期待耐用年数が多い。中古住宅に住んでいる方がDIYの習慣がある。
その他
・空家問題は放っておけない
・マンション 建物、設備の耐久性を伸ばす。管理をしっかりやると延びる。
コンクリート60年 古いマンション・・・川砂のコンックリート
新しいマンション・・・ 海砂のコンクリート
国交省は建替をはやめようとしている・・経済効果のため。容積率を上げる
【感想】時間をかけ綿密な調査の結果の発表でした。レジメには多くのグラフや表が提示されていました。
何となく、感じていることが、納得いきました。
私の近所では空家や増えていましたが、駅前の開発が計画されているということもあるのか、
最近新築があちこち見られます。
** 来年度の山崎氏の講座 予告 ***
「日本的住宅の管理」について
「家事労働論」
関連著書
2019年10月24日(木) 講師 小栗栖 真弓氏 (S53文史、S55博前史)
朝から生憎の雨になりましたが、午前10時、山陽電鉄の高砂駅に予定の24名が集合し、小栗栖氏から資料をいただいて出発しました。
1.十輪寺
まず、十輪寺に向かいました。815年、弘法大師が勅命により創建したとされる真言宗寺院だったのが、1207年、法然上人がこの地で説法したことから、法然を中興開山に迎えて浄土宗に転宗したと伝えられています。堂々とした立派なお寺でした。
特別に本堂を開けていただき、拝観させていただくことができました。金箔の柱や金色に輝く天蓋、美しい欄間など極楽浄土を思わせるような豪華な空間の中でうっとりとしたひと時でした。本堂裏の墓地にある旧高砂城主梶原影秀公の墓碑や、境内にある工楽松右衛門墓や文禄の役で溺死した高砂の水夫たちを供養する印塔なども見学しました。
2.申義堂
文化年間(1804~1818)に、姫路藩家老・河合寸翁が庶民教育を行うために設立した学問所で、高砂の学者である美濃部秀芳などが教えていました。高砂の庶民が学んだ郷学として、教育の原点ともいえる施設です。明治時代の廃校後、加古川市に移設されていましたが、平成24(2012)年高砂町に、江戸時代当初の姿で復元されました。高砂市指定文化財。
座敷に座ってボランティアガイドの方の説明を聴きながら、四書五経などを熱心に学んでいた子ども達の姿に思いを馳せました。
3.善立寺(天竺徳兵衛ゆかりの地)
天竺徳兵衛は、1612年に高砂の地に生まれ、十輪寺で勉学に励み、15歳の時にシャム(タイ)へ、その後南蛮に渡り貿易をしました。異国文化を記した見聞記を残しています。
4.昼食 『そらまめ』 高砂銀座商店街(鍛冶屋町) 「高砂や」内
名物の『穴子のせいろ蒸し(下ごしらえした焼きあなごを、特性たれを混ぜ込んだご飯と一緒に蒸し上げる)と茶そば』をとてもおいしくいただきました。さすが、本場の焼き穴子ならではの美味でした。
5.工楽松右衛門旧宅・南堀川遺構
江戸時代に海運業や港湾改修などを行った工楽松右衛門の旧宅は、加古川舟運や海運の港町として繁栄した高砂の南堀川の船着き場の前にあります。平成28年に高砂市が工楽家より寄付を受けて、復元・修理しました。旧宅東側の発掘調査により、江戸時代の南堀川遺構が良好に保存されていることが分かり、堀の川護岸の石垣や舟荷を揚げ降ろしする雁木という石階段など、船着き場の遺構を見ることができます。
初代松右衛門(1743~1812)は海運業を営み、船の帆布を改良して丈夫で耐久性のある「松右衛門帆」を発明しました。また、幕府や藩の依頼で、函館や択捉島、鞆の津など全国の港を改修し、1810年高砂に居住。2代松右衛門以降も、地元高砂港の改修や新田の開発などの事業を行いました。
工楽家は、近代には砂糖問屋などを営みながら、棟方志功などの文化人と交流し、居宅は文化サロンにもなっていました。
6.高砂神社
神功皇后が征西凱旋の途中、高砂の地に大己貴命を祀ったといわれる。相生の松(1つの根から雌雄2本の幹をもつ松で、尉と姥の2神が宿る)は創建間もなく生えた霊松と伝えられ、現在は5代目とのこと。境内には、霊松殿、尉姥(じょうとんば)神社、神木いぶき等があり、謡曲「高砂」の発祥の地として有名です。池田輝政が築城した高砂城の跡でもあります。
加古川の河口部西側に広がる高砂市、南は播磨灘に面し、古くから舟運、海運の便に恵まれて栄えてきたところです。その栄華を彷彿させる寺社や歴史的な街並みをゆっくりと徒歩で巡って、その雰囲気に浸りながら過ごした一日でした。いつもながら、小栗栖真弓氏の詳細な資料と名解説は、初めて訪れた高砂の地の魅力を何倍も引き出してくださったと思います。
2019(令和元)年6月27日(木)13時~15時 於 神戸市勤労会館
講師 片寄 眞木子氏(S36家食)
梅雨入りした近畿地方に、熱低が台風に変わって近づくとの予報で朝から生憎の雨模様でしたが、13人の参加者でした。
平成21~23年度に、日本調理科学会特別研究として「調理文化の地域性と調理科学― 行事食・儀礼食」と題した、行事食や儀礼食についての知識や経験についてのアンケート調査が全国の学生と一般人を対象に行われました。その時のアンケート(記入箇所多い)に、佐保会兵庫県支部の方々のご協力をいただき、詳細な回答をいただきましたので、調査の結果をご報告してお礼に替えたいとのメッセージがありました。
1. 全国集計のまとめ 日本調理科学会誌 44巻, 6号, 2011年. 渕上他
24,858名(うち、学生は53.9パーセント)
●年中行事(17行事)の認知度および経験の有無
認知度90パーセント以上のの行事(は経験も)は、学生ではクリスマス
、大晦日
、正月
、 節分
、お月見、七夕で、一般では正月
、クリスマス
、大晦日
、土用の丑、冬至、節分、お月見であった。
●通過儀礼(13儀礼)の認知度および経験の有無
認知度90パーセント以上のの行事( は経験も)は、学生では誕生日
、七五三
、成人式、葬儀で、一般では誕生日
、七五三、成人式、葬儀
、婚礼、法事、結納、長寿祝、出産祝、初誕生(お七夜、厄払いを含む全てを53パーセント以上が経験)。
●行事食・儀礼食の購入や外部化が進んでいる。
2.「兵庫県における行事と行事食の伝承(認知・経験と世代間比較)」日本調理科学会誌 50巻, 5号, 2017年. 田中他
兵庫県居住者647名(学生379名、親世代220名、祖父母世代48名)について行事の認知と経験の有無をクロス集計し、統計検定を行った。
結果の要約:●正月、大晦日、クリスマス、節分は世代間差が小さく、広く認知・経験されている。雑煮、ケーキ、巻きずしの喫食経験は100パーセント近い。 ●上巳(桃の節句)、土用の丑、七夕などの行事は認知度が高いが学生の経験度は低い(鰻蒲焼の喫食経験は高い)。七夕は認知・経験の世代差は小さいが、経験が少ない行事である。 ●お月見、人日(七草粥)端午、春分、冬至、秋分は、認知度は高い傾向だが、学生の経験度は低い(月見団子、七草粥、柏餅、かぼちゃの喫食経験は70%台)。学生たちに経験させることが伝承につながる。 ●盂蘭盆、秋祭、春祭、重陽の認知度は低く、経験度も低い。すたれつつあると言える。
次に、平成24~25年度に行われた「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」についてのお話がありました。
昭和30~40年代に、日本の各地の家庭で作られていた日常の料理や行事食を、聞き書きにより収集するという調査です。兵庫県では9地域(但馬、丹波、北播磨、中播磨、西播磨、東播磨、神戸、淡路)を調査して、次世代に伝え継ぎたい兵庫県の家庭料理約100点を選出し、それらを再現して写真撮影を行いました。
兵庫県は日本海と瀬戸内海の沿岸部、山間部、平野部、島など様々な地形と自然条件をもつ地域で構成され、また、神戸のような文明開化の先進地である大都市部も擁して多彩な食文化が培われてきました。地域特有の野山海の幸を生かした料理や外国文化の影響を加味した多彩な料理の数々が、スライドで紹介されました。
全国47都道府県のこのような料理がジャンル別に分類され、『伝え継ぐ日本の家庭料理』全16冊(別冊うかたま・農文協)として刊行されています(2017~2021)。既刊のものは、『すし』『肉・豆腐・麩のおかず』『小麦・芋・豆のおやつ』魚のおかず』『野菜のおかず』『炊き込みご飯・おにぎり』『米のおやつともち』の7冊です。料理の写真とレシピ、背景を描くエッセイが詳しく書かれているのが特徴といえましょう。
日頃よく目にしたり、味わったりする料理や、まだ知らない料理も見せていただいて、ぜひ、一度味わってみたい、作ってみたいと思いました。
兵庫県の風土や文化が生み出した郷土料理を、できるだけ多く次の世代に伝えていきたいという気持が強くなりました。
講座 旧満州の小さな足跡 |
at 2023-06-25 17:43 |
バラ園見学と万葉の森散策 |
at 2023-05-29 13:47 |
講座 失われた田舎暮らしを求めて |
at 2023-05-05 11:31 |
福祉講座 続高齢者介護の現.. |
at 2023-03-30 15:51 |
ピアノコンサート ~歌の翼に~ |
at 2023-02-25 11:04 |
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